医食同源 ~ある血液内科医のブログ~
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マスク熱中症にご注意を
2020-06-10
新型コロナウイルス対策のため,長時間マスクを着ける人が増えています 当院でも受診された患者さんには,院内でのマスク着用をお願いしています これは感染防止には重要ですが,これからの暑い季節には,上手に着脱して熱中症を予防することが求められます。
熱中症の患者は,気温が上昇する5月頃から現れ始め,夏場にかけて増えます。例年,救急搬送される人が数万人,死者が数百人に及ぶ警戒すべき病気です 今年の夏は猛暑が予想されており,更なる注意が必要です
マスク内には熱がこもってしまい,湿度で口の渇きが感じにくくなります。そのため,のどの渇きを感じなくても早めに水分を補給することが重要で,負荷のかかる作業や運動は避けるべきです。屋外で人と2メートル以上の十分な距離が保たれていればマスクは不要と考えられており,適宜マスクをはずして休憩をとりましょう
また,2歳未満のお子さんにはマスクを使用しないよう,日本小児科医会が警告しています。空気の通り道が狭いため呼吸や心臓への負担が増し,マスクそのものや嘔吐物による窒息のリスクが高まることなどが理由です。その他,子どもの新型コロナウイルス感染リスクが元々少ないことも理由として挙げられています。
熱中症の症状も,発熱や体のだるさなど新型コロナウイルス感染症と共通しています。マスクを上手に使用することで,新型コロナウイルス感染症および熱中症を予防しましょう
安藤 健明(血液内科部長 兼 総合内科部長)